EC-CUBE4にWordPressの記事一覧を表示する方法【WP REST API】

EC-CUBE4にWordPressの記事一覧を表示する方法【WP REST API】

2020年5月23日

EC-CUBEにWordPressの記事一覧を表示したいと思ったことはありませんか?

僕の場合、ECサイトをEC-CUBEで作り、お知らせなどのCMSをWordPressで作ることがあります。

以前はWordPressのRSSを利用して、EC-CUBEにWordPressの記事一覧を表示していました。
しかし、WordPressで記事を投稿して、EC-CUBEに表示されるまでにタイムラグがありました。

WordPressの「WP REST API」を使ってみたところ、表示されるまでのタイムラグがなく、RSSよりも簡単に記事一覧を表示することが出来ました。

かなりオススメの方法なので、「WP REST API」の使い方を解説したいと思います。

WP REST APIについて簡単に解説します

WP REST APIとは、WordPressの投稿やタクソノミーのデータを参照できるAPIです。

データを参照する方法は簡単で、下記のURLにアクセスするだけです。

サイトURL/wp-json/wp/v2/posts

例えば、このブログのデータを参照する場合は下記のURLにアクセスしたらOKです。

https://ryob.net/wp-json/wp/v2/posts

訳の分からない文字の羅列が表示されたと思います。

WP REST APIで参照したデータはJSON形式になっており、このデータをJavaScriptで取得や成形して記事一覧を表示します。

EC-CUBEにWordPressの記事一覧を表示する方法

まずはWP REST APIで参照したデータを取得して表示するためのJavaScriptを記述します。

jQueryが必要になりますが、EC-CUBE4は最初からjQueryが入っているので読み込む必要はありません。
HTMLなどで記事一覧を表示する場合は、jQueryを読み込んでください。

WordPressの記事一覧を表示するためのJavaScriptは以下となります。

$(function(){
    $.ajax({
        type: 'GET',
        // WP REST APIのURL
        url: 'https://hogehoge.com/wp-json/wp/v2/posts',
        dataType: 'json'
    }).done(function(json){
        var html = '';
        $.each(json, function( i, row ) {
            //ブログのタイトル
            var title = row.title.rendered;
            //ブログのURL
            var link = row.link;
            //ブログの本文
            var excerpt = row.excerpt.rendered;
            // ブログの投稿日
            var date = new Date(row.date);
            var yy = date.getFullYear(date);
            var mm = date.getMonth() + 1;
            var dd = date.getDate();
            // 出力するHTML
            html += '<li>';
            html += '<span class="date">' + yy + '/' + mm + '/' + dd + '</span>';
            html += '<a href="' + link + '">' + title + '</a>';
            html += '</li>';
        });
        //整形した記事の情報をページに追加する
        $('#blog').append(html)
    }).fail(function(json){
        console.error('WordPressのブログ記事取得に失敗しました。')
    });
});

EC-CUBE4の管理画面の「コンテンツ管理 > JavaScript管理」に、このJavaScriptを追加します。

EC-CUBE4の管理画面でこのJavaScriptを記述する

次にWordPressの記事一覧を表示したい場所に以下のHTMLを記述します。

<ul id="blog"></ul>

今回はトップページに表示したいので、「コンテンツ管理 > ページ管理 > TOPページ」の表示したい場所にHTMLを追加します。
{% block main %}から{% endblock %}の間であれば、どこに追加してもOKです。

EC-CUBE4の管理画面でこのHTMLを記述する

すると、EC-CUBEのトップページにWordPressの記事一覧が表示されます。

WordPressの記事一覧を表示

あとは、CSSでスタイルを調整したら完成です。

WordPressの記事をアイキャッチ付きで表示する

WP REST APIではアイキャッチ画像のデータも参照することが出来ます。
アイキャッチ画像のデータを参照するには、WP REST APIのURLに?_embedというパラメータを追加します。
このブログを例にすると、以下のURLでアイキャッチ画像のデータも参照できるようになります。

https://ryob.net/wp-json/wp/v2/posts?_embed

先ほど紹介したJavaScriptにアイキャッチ画像の処理を追加すると以下のコードになります。

$(function(){
    $.ajax({
        type: 'GET',
        // WP REST APIのURL
        url: 'https://hogehoge.com/wp-json/wp/v2/posts?_embed',
        dataType: 'json'
    }).done(function(json){
        var html = '';
        //記事の件数分イテレートする
        $.each(json, function( i, row ) {
            //ブログのタイトル
            var title = row.title.rendered;
            //ブログのURL
            var link = row.link;
            //ブログの本文
            var excerpt = row.excerpt.rendered;
            // ブログの投稿日
            var date = new Date(row.date);
            var yy = date.getFullYear(date);
            var mm = date.getMonth() + 1;
            var dd = date.getDate();
            //サムネイル画像のURL
            var thumbnail
            if( row['_embedded']['wp:featuredmedia'] ) {
                thumbnail = row['_embedded']['wp:featuredmedia'][0]['media_details']['sizes']['full']['source_url']
            }
            // 出力するHTML
            html += '<div class="blog-post">';
            html += '<a href="' + link + '" class="blog-post__thumb"><img src="' + thumbnail + '" alt="' + title + '"></a>';
            html += '<p class="blog-post__title">' + title + '</p>';
            html += '<p class="blog-post__date">- ' + yy + '/' + mm + '/' + dd + '</p>';
            html += '</div>';
        });
        //整形した記事の情報をページに追加する
        $('#blog').append(html)
    }).fail(function(json){
        console.error('WordPressのブログ記事取得に失敗しました。')
    });
});

記事一覧を表示するHTMLをulからdivに変更しました。

<div id="blog"></div>

先ほどと同じ手順でEC-CUBE管理画面からJavaScriptとHTMLを追加すると、アイキャッチ画像付きの記事一覧が表示されます。

WordPressの記事をアイキャッチ画像付きで表示

こちらもCSSでスタイルを調整したら完成です。

WP REST APIで表示する記事の件数を指定する

WP REST APIのURLにper_pageというパラメーターを追加すると、参照する記事の件数を指定できます。
例えば、このブログの記事を新しい順に5件参照する場合は以下のURLになります。

https://ryob.net/wp-json/wp/v2/posts?per_page=5

EC-CUBEのトップページにWordPressの記事を何十件も表示する必要はないので、per_pageで表示する件数を指定しておいた方がいいと思います。

WordPressのカスタム投稿の記事一覧を表示する

WP REST APIでは標準の投稿だけではなく、カスタム投稿のデータを参照することも出来ます。
データの参照方法は、WP REST APIのURLのpostsをカスタム投稿のスラッグに変更するだけです。

例えば、このブログに「実績」というカスタム投稿を追加して、スラッグを「works」に設定したとします。
その場合、カスタム投稿のデータを参照するURLは以下となります。

https://ryob.net/wp-json/wp/v2/works
※実際はこのブログにカスタム投稿が無いため、上記のURLで情報を参照することは出来ません。

EC-CUBE4にWordPressの記事一覧を表示する方法のまとめ

WP REST APIを利用することで、WordPressの記事一覧を簡単にEC-CUBEに表示できます。
同じ要領でHTMLファイルにも表示できるので、機会があればぜひ試してみてください。
僕もWP REST APIを使って、もっと色々と試してみようと思います。

この記事を書くにあたり、以下の記事を参考にさせていただきました。