Gulpってる?インストールから画像圧縮を自動化する方法を解説

Gulpってる?インストールから画像圧縮を自動化する方法を解説

2021年4月23日

Webサイトのコーディングって色々な作業が発生しますよね。
HTMLやCSSを編集するたびにブラウザをリロードして確認したり、画像やファイルを圧縮したり、やることが本当に多いです。

そんな作業を少しでも楽にするために、今回はタスクランナーGulpをご紹介します。

「Gulpって何?」って方もいるかもですね。
一言でいうと、コーディングに関する色々な作業を自動化できるツールです。

まずはGulpについての簡単な説明と、導入方法を解説していきます。
その後、Gulpを使って画像圧縮を自動化する方法を紹介しますのでお楽しみに!

Gulpって何?

Gulpとはコーディングに関する作業を自動化できるツールです。
具体的にどんな作業を自動化できるかというと、

  • HTMLやCSSを編集後、ブラウザを自動でリロードする
  • 画像ファイルを圧縮する
  • CSSファイルやJSファイルを圧縮する
  • SassをCSSにコンパイルする

などなど、他にも色々な作業を自動化することが出来ます。

僕も最初は「導入するのがめんどくさいなぁ」と思っていましたが、使い始めると超快適!
もうGulpなしではコーディングしなくないとさえ思ってしまいます。

Gulpは黒い画面(ターミナル)を使うので拒否反応を起こす方もいるかもしれません。
でも、すごく難しい作業をする訳ではないので、ひとつずつやっていけば大丈夫です!
それでは、Gulpを導入する方法を解説していきます。

Node.jsをインストールする

Gulpを使うためにはNode.jsが必要です。
ターミナルを起動して以下のコマンドを実行してください。

$ node -v

以下の様にNode.jsのバージョンが表示された場合は、すでにインストール済みです。

$ node -v
v14.0.0

バージョン情報が表示されない場合は、Node.jsをインストールしないといけません。

以下のリンクからNode.jsの公式サイトにアクセスします。

Node.js® is a JavaScript runtime built on Chrome's V8 JavaScript engine.
nodejs.org

「推奨版」と「最新版」がありますが、今回は「推奨版」をダウンロードします。

Node.jsをダウンロード

ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとインストーラーが立ち上がります。
画面の案内に沿って進めていくとインストールできます。

Node.jsのインストーラー
Node.jsのインストーラー
Node.jsのインストーラー
Node.jsのインストーラー

インストールの途中でパスワードの確認が表示された場合は、パスワードを入力して続けます。

パスワード確認

以上でNode.jsのインストールは完了です。

ターミナルで以下のコマンドを実行して、Node.jsがインストールされているか確認しましょう。
バージョン情報が表示されたらインストール成功です。

$ node -v
v14.0.0

HomebrewでNode.jsをインストールする

Macの場合はパッケージマネージャーHomebrewでNode.jsをインストールすることも出来ます。
インストールする手順は以下の通りです。

  1. Homebrewをインストールする
  2. Homebrewでnodebrewをインストールする
  3. nodebrewでNode.jsをインストールする

nodebrewとは、Node.jsのバージョンを管理するためのツールです。
複数のバージョンをインストールしたり、バージョンを切り替えたりすることが出来ます。
プロジェクトごとにNode.jsのバージョンを切り替える必要がある場合はオススメです。

HomebrewでNode.jsをインストールする方法は、以下の記事が大変分かりやすいです。
僕もこの記事を参考にしてNode.jsをインストールしました。

MacにNode.jsの環境を構築するメモ。その前に※以下の方法もオススメです!MacにNode.jsをインストール(anyenv + nodenv編)上記の場…
qiita.com

Gulpをインストールする

Node.jsをインストールできたら、いよいよGulpをインストールしましょう!

Gulpはグローバルにインストールする方法と、ローカルにインストールする方法があります。

グローバルにインストールするとPC全体でGulpが使える様になります。

ローカルにインストールするとは、プロジェクトフォルダ内にGulpをインストールするということです。
ローカルにインストールした場合は、そのプロジェクトでしかGulpを使用できません。

以前はグローバルにインストールするのが主流でしたが、最近は管理のしやすさからローカルにインストールするのが主流になったようです。
今回もローカルにインストールする方法で解説していきます。

プロジェクトフォルダに移動する

今回はデスクトップの「gulp-test」というフォルダ内にGulpをインストールすると想定して解説します。
ターミナルで以下のコマンドを実行して「gulp-test」フォルダに移動します。
※僕の作業環境はMacなので、Windowsの方はデスクトップまでのパスが違うと思うのでご注意ください。

$ cd /Users/ユーザー名/Desktop/gulp-test

package.jsonを作成する

package.jsonというインストールしたNPMパッケージなどが記載されるファイルを作成します。
以下のコマンドを実行してください。

$ npm init

以下の情報を設定しますが、ひとまず全てreturnキーを押せばOKです。

package name: (gulp-test) 
version: (1.0.0) 
description: 
entry point: (index.js) 
test command: 
git repository: 
keywords: 
author: 
license: (ISC) 
Is this OK? (yes) 

すると、gulp-testフォルダ内にpackage.jsonが作成されます。

Gulpをインストールする

以下のコマンドを実行してGulpをインストールします。

$ npm install --save-dev gulp

「node_modules」というフォルダが作成され、そのフォルダ内にGulpがインストールされます。
package.jsonの「devDependencies」にも「gulp」が追加されています。

{
  "name": "gulp-test",
  "version": "1.0.0",
  "main": "index.js",
  "scripts": {
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1"
  },
  "author": "",
  "license": "ISC",
  "description": "",
  "devDependencies": {
    "gulp": "^4.0.2"
  }
}

以上でGulpのインストールは完了です。

ただ、Gulpをインストールしただけでは何もできないので、次はGulpで画像を圧縮する方法を解説します。

GulpでJPEG、PNG、SVGなどの画像を圧縮する

それでは、Gulpで画像を圧縮する手順を解説してきます。
今回は以下のディレクトリ構造を想定しています。

gulp-test/
 ├ dist/
 ├ node_modules/
 ├ src/
 └ package.json

srcフォルダに圧縮したい画像を入れると、distフォルダに圧縮後の画像が作成されるというタスクを作成します。

必要なパッケージをインストールする

Gulpで画像を圧縮するためには以下の2つのパッケージが必要になります。

  • gulp-imagemin
  • imagemin-pngquant

gulp-imageminだけでも画像の圧縮は出来ますが、PNG画像についてはimagemin-pngquantの方が圧縮率が高いので併用しようと思います。

以下のコマンドで2つのパッケージを一括でインストールします。

$ npm install --save-dev gulp-imagemin imagemin-pngquant

これで必要なパッケージはインストール出来ました。

gulpfile.jsを作成する

gulp-testフォルダ内にgulpfile.jsというファイルを新規作成してください。
このgulpfile.jsにGulpで行うタスクの内容を記述していきます。

ディレクトリ構造は以下の様になります。

gulp-test/
 ├ dist/
 ├ node_modules/
 ├ src/
 ├ gulpfile.js
 └ package.json

gulpfile.jsにGulpで行いたい処理を書いていきます。

// パッケージの読み込み
const gulp = require("gulp");
const imagemin = require("gulp-imagemin");
const pngquant = require("imagemin-pngquant");

function minifyImage() {
  return (
    gulp
      // 圧縮前の画像を入れるフォルダを指定
      .src("src/*.{png,jpg,jpeg,gif,svg}")
      // 圧縮率などを設定
      .pipe(
        imagemin([
          imagemin.mozjpeg({ quality: 80 }),
          imagemin.svgo({
            plugins: [{ removeViewBox: true }, { cleanupIDs: false }],
          }),
          imagemin.gifsicle({
            interlaced: true,
          }),
          pngquant({
            quality: [0.65, 0.8],
            speed: 1,
          }),
        ])
      )
      // 圧縮後の画像を出力するフルダを指定
      .pipe(gulp.dest("dist"))
  );
}

// gulpコマンドで実行できるように設定
exports.default = minifyImage;

これで準備完了です。

コマンドを実行して画像を圧縮する

ではさっそく、srcフォルダに圧縮したい画像を入れてください。
そして以下のコマンドを実行します。

$ npx gulp

すると、distフォルダに圧縮した画像が出力されます。
srcフォルダとdistフォルダの同じ画像を比較すると、ファイル容量が少なくなっているはずです。

画像圧縮を自動化する

Gulpで画像を圧縮することは出来ましたが、今のままだと画像を圧縮する際に、いちいちgulpコマンドを実行しなくてはいけません。
画像の追加や変更が多い場合は少しめんどくさいですよね。

最初に一度だけgulpコマンドを実行し、以後はsrcフォルダに画像を入れると自動的にdistフォルダに出力される様に変更したいと思います。
以下の様にwatchタスクを追加することで実現できます。

// パッケージの読み込み
const gulp = require("gulp");
const imagemin = require("gulp-imagemin");
const pngquant = require("imagemin-pngquant");

function minifyImage() {
  return (
    gulp
      // 圧縮前の画像を入れるフォルダを指定
      .src("src/*.{png,jpg,jpeg,gif,svg}")
      // 圧縮率などを設定
      .pipe(
        imagemin([
          imagemin.mozjpeg({ quality: 80 }),
          imagemin.svgo({
            plugins: [{ removeViewBox: true }, { cleanupIDs: false }],
          }),
          imagemin.gifsicle({
            interlaced: true,
          }),
          pngquant({
            quality: [0.65, 0.8],
            speed: 1,
          }),
        ])
      )
      // 圧縮後の画像を出力するフルダを指定
      .pipe(gulp.dest("dist"))
  );
}

// srcフォルダを監視
function watchFile() {
  gulp.watch("src/*.{png,jpg,jpeg,gif,svg}", minifyImage);
}

// gulpコマンドで実行できるように設定
exports.default = watchFile;

以下のコマンドを実行するとsrcフォルダの監視が始まります。

$ npx gulp

srcフォルダに画像を入れると自動的にタスクが実行され、distフォルダに圧縮した画像が出力されます。
これでずいぶん楽になりましたね!

srcフォルダの監視を停止する場合はcontrol + cをクリックしてください。

変更や追加した画像だけを圧縮する

watchタスクを追加することで便利になりましたが、現状だとsrcフォルダ内の全ての画像に対して圧縮が実行されてしまいます。

例えば、srcフォルダに10枚の画像があるとします。
新たに1枚の画像を追加します。
すでにフォルダ内にあった10枚はdistフォルダに出力済みなので圧縮する必要はありませんが、新たに追加した1枚の画像を含めて、11枚の画像に対して圧縮処理が実行されます。

10枚程度ならあまり気になりませんが、数百枚となると圧縮処理の時間に大きく差が出てきます。
そこで、変更や追加した画像だけを圧縮するように変更したいと思います。

画像の差分を取得するために「gulp-changed」というパッケージを追加でインストールします。
以下のコマンドを実行してください。

$ npm install --save-dev gulp-changed

gulpfile.jsの内容は以下の様になります。

// パッケージの読み込み
const gulp = require("gulp");
const imagemin = require("gulp-imagemin");
const pngquant = require("imagemin-pngquant");
const changed = require("gulp-changed");

function minifyImage() {
  return (
    gulp
      // 圧縮前の画像を入れるフォルダを指定
      .src("src/*.{png,jpg,jpeg,gif,svg}")
      // 画像の差分を取得
      .pipe(changed("dist"))
      // 圧縮率などを設定
      .pipe(
        imagemin([
          imagemin.mozjpeg({ quality: 80 }),
          imagemin.svgo({
            plugins: [{ removeViewBox: true }, { cleanupIDs: false }],
          }),
          imagemin.gifsicle({
            interlaced: true,
          }),
          pngquant({
            quality: [0.65, 0.8],
            speed: 1,
          }),
        ])
      )
      // 圧縮後の画像を出力するフルダを指定
      .pipe(gulp.dest("dist"))
  );
}

// srcフォルダを監視
function watchFile() {
  gulp.watch("src/*.{png,jpg,jpeg,gif,svg}", minifyImage);
}

// gulpコマンドで実行できるように設定
exports.default = watchFile;

gulpコマンドを実行してsrcフォルダの監視を開始します。

$ npx gulp

srcフォルダに画像を1枚追加してみてください。
gulp-changedを導入する前は以下の様に全ての画像が圧縮されていました。

[00:00:00] gulp-imagemin: Minified 11 images (saved 9.66 MB - 83.3%)

gulp-changedを導入した後は、追加した1枚だけが圧縮されています。

[00:00:00] gulp-imagemin: Minified 1 image (saved 3.14 MB - 85.3%)

これで大分使いやすくなりましたね!

こんな感じでパッケージを追加することで色々なことができる様になります。
色々なパッケージを試して、自分オリジナルのタスクを作っていくのは楽しいですよ!

ちなみに、Gulp4ではlastRun()という標準機能で差分を取得できるそうです。
僕もlastRun()を試したのですが上手くいかなかったので、今回はgulp-changedを紹介しました。
lastRun()で上手くいったら追ってご紹介したいと思います。

まとめ

今回はGulpを導入する方法と、Gulpで画像を圧縮する方法をご紹介しました。
Gulpを使いこなせれば色々な作業を自動化できるので、コーディングの時間をかなり短縮できます。
ぜひ色々なパッケージを試して自分オリジナルのタスクを作ってみてください!

僕が普段から使っているGulpのパッケージや設定は以下の記事で紹介しています。
もし興味があれば覗いてみてください!

Gulpのおすすめパッケージを紹介!Sassのコンパイルやブラウザのオートリロードなど
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最後まで読んでいただいてありがとうございます!
ご質問やご指摘があればお気軽にコメントください。
よろしくお願いします!

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